今年の東京国際映画祭は「挽回のチャンス」 作品選定者が語る変化

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佐藤美鈴、編集委員・石飛徳樹
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 第34回東京国際映画祭が30日~11月8日に開かれる。改革を掲げる安藤裕康チェアマン3年目の今年は、映画の街である日比谷・銀座地区に会場を移し、各部門を大胆に整理統合した。日本最大の映画祭ながら、内外の知名度が足りない「東京」はどう変わろうとしているのか。

 作品選定を担うプログラミング・ディレクターは17年ぶりに交代し、市山尚三さんが就任した。松竹やオフィス北野で台湾の侯孝賢(ホウシャオシェン)や中国の賈樟柯(ジャジャンクー)ら海外の監督の映画を数多く製作し、2000年には東京フィルメックスを立ち上げるなど国内外の映画祭との関わりも深い。

写真・図版
東京国際映画祭の市山尚三プログラミング・ディレクター

欧米の映画祭を断ってまで

 今年、最も変化したのは映画祭の顔、コンペティション部門だ。昨年はコロナ禍でなかったため、2年ぶりの復活だが、フィリピンのブリランテ・メンドーサやイランのバフマン・ゴバディら3大映画祭の常連監督の新作がワールドプレミア(世界初披露)に。一気に世界レベルへ引き上げられた。

 欧州の映画祭に出そうとしたのを断ってまで東京に出品を決めた監督もいたといい、市山さんの人脈が利いている。日本の代表作品も、ベネチア銀獅子賞の「スパイの妻」で脚本を担当した野原位(ただし)の監督作など、世界標準の選定になった。

 アジアの作品を増やしたのもアジアに強い市山さんらしい。今、カンヌやベネチアといった映画祭は欧米映画に偏重しているため、アジアの秀作が比較的残っているという。「地域バランスを考えるのではなく、アジアの素晴らしい映画がたくさん見られるのが売りになる。挽回(ばんかい)のチャンスかもしれない」

 東京国際は3月、ジェンダー

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