ひき逃げされた女性を救護した2人 命は助からず「悔しさしかない」

魚住あかり
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 ひき逃げ事故の現場で被害者を救護したとして、静岡県警清水署は27日、静岡市葵区の建設会社に勤務する山本達規さん(54)と江崎進一さん(50)に感謝状を贈った。

 署によると、今年6月、同市清水区駒越西2丁目の国道で、路側帯を歩いていた女性(47)を乗用車がはね、そのまま走り去った。女性は病院で死亡が確認されたが、救急搬送されるまで山本さんらが救護にあたったという。

 山本さんは事故現場から200メートルほど離れた道路改修作業の現場に向かう途中、倒れている女性を発見したという。急いで作業現場にいる江崎さんを呼び、近隣住民らと協力して救護にあたった。「『救急車早く来い』と叫びながら、とにかく必死に心臓マッサージをしました」と江崎さんは振り返る。事故現場に戻った被疑者の車を呼び止めるなど逮捕にも貢献した。

 財津康署長は「逃亡を阻止し、遺族の無念に報いることができた」と感謝したが、2人は「被害者を助けられず、悔しい思いしかない」と声を落とした。「思い出すと涙が出てくる。家族から『助かって良かったです』と言ってもらいたかった」

 2人は事故後、緊急時の応急処置などを学ぶ救命講習に申し込んだ。「もっと何かできなかったのかという思いが強い。知識があれば工事現場で何かあったときにも動けるかもしれない」と江崎さん。新型コロナの感染拡大により、講習は中止になってしまったが、今後も救命措置の勉強を続けるという。(魚住あかり)