過去の「苦し紛れの抗議」があだに バラマキ合戦を支える黒田日銀

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編集委員・原真人
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 日本銀行は28日、金融政策決定会合で現在の大規模な超金融緩和政策の継続を決めた。米欧の中央銀行とは異なり、今回も出口戦略はまったく検討されていないものと見られる。

 会合は年8回開催され、メンバーは総裁以下9人だ。金融政策は会合で決められているが、いまは事実上、紙幣を刷って国家財政を支える「財政ファイナンス政策」になって久しい。この状況をもたらした安倍政権はすでにないが、実行責任者である黒田東彦総裁の任期は2023年春まで続く。

 このため、財政政策金融政策の正常化に強い決意をもつ政権でも誕生しないかぎり、少なくともあと1年半は、いまの異次元緩和を続けたまま出口戦略に取り組むことはないだろう。これはきわめて無責任な問題先送りである。

バラマキ論者が持ち出す根拠、財務官僚「あの時あんな意見書を…」

 黒田総裁には、本当なら現状の正しい総括と今後の正常化に向けたプロセスを説明する責任がある。この8年半の異次元緩和では2%インフレ目標は達成できず、いまも達成の見通しは立っていない。にもかかわらず漫然とこれまで通りの政策を続けるのでは、もはや責任放棄と言っていい。

 この政策が政府の借金膨張を可能にし、現下の衆院選をめぐる各党のバラマキ合戦をもたらす下地をつくっている。

 「バラマキ合戦」については…

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