「名古屋ほど便利な都市ない」 東京から本社移転したIT企業社長は
コロナ禍で東京一極集中の社会構造が改めて問われている。東京から名古屋に本社を移したIT企業「コラボスタイル」の松本洋介社長に、その意図や働き方の未来を聞いた。
――どのような事業を手がけていますか。
「『コラボフロー』という企業向けのソフトウェアの開発・販売が主軸です。稟議(りんぎ)書や見積書の作成・承認など業務のペーパーレス化を支援します。具体的にはエクセルで作成した書類をそのまま申請フォームに変換し、自動で決裁権限を持つ上司に転送します。外出先からスマートフォンやタブレットで承認でき、業務を効率化することができます」
コロナ禍でニーズ顕在化
――コロナ禍で需要が高まったのではないですか。
「近年は売上高ベースで毎年1・5倍程度の成長を続けており、コロナ禍で加速しました。もともと潜在的なニーズがあり、コロナ禍で一気に顕在化したとみられます。例えば、現場はペーパーレス化を進めたかったのに、幹部が慣習的に紙の決裁にこだわっていたとか。そこにコロナ禍でテレワーク対応を迫られ、動きが進んだように思います」
――なぜ会社を起業したのですか。
「仕事をする際の無駄や『謎ルール』をなくしたいという思いがあります。大学を卒業し、愛知県内でバーテンダーとして働きました。そこで『仕事中はメモをとるな。見て覚えろ』などと、生産性が高いとは思えない教え方をされることがありました。会社勤めをしていた際もそのような経験が多くありました。部長の決裁を紙でもらいたいのに、不在でつかまらない。部長が戻るまで、無駄な業務が発生します。『なんでこんな無駄なことをやっているんだろう』という思いが、原体験としてあります」
「こうした無駄は業種に限らず存在しますが、そこにこそビジネスチャンスがあり、日本の働き方を変えるヒントがあると思うのです」
水はせき止められない、世の中は変わる
――自社の社員にもテレワークを推奨しているのですか。
「基本はテレワークですが…
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【視点】※最後に皆様への謝罪文あり ■orよりもand 東京でも大阪でもない視点で勝負せよ 東京からオフィス移転をすすめるべきだ、テレワークを推進するべきだという単純な話にとらえてはいけない。松本洋介社長のインタビューは痛快で、かっこいい。そ