古関裕而「幻の2曲」がCDに 「エール」考証者の尋ねに市民が寄贈

本井宏人
[PR]

 昨年放送されたNHK連続テレビ小説「エール」主人公のモデル古関裕而(1909~89)が愛知県豊橋市のために作曲しながら、地元でも忘れられていた「幻の2曲」が、9月に発売された2枚組みCD「古関裕而 秘曲集」に収録された。市中央図書館が、市民から譲り受けた当時のレコードを提供し、音源として使われた。

 「幻の2曲」は、日本コロムビアが1952年にSPレコードで発売した「豊橋観光音頭」と裏面の「夢の豊橋」。古関は48年に夏の甲子園の大会歌「栄冠は君に輝く」を作るなど、忙しい時期だったと思われる。作曲依頼は難しかったため、妻で豊橋市出身の金子(1912~80)が仲介した可能性もあるが、歌い継がれることはなかった。

 昨年6月、「エール」の風俗考証を担当した日本史学者の刑部芳則さんから、2曲の由来の問い合わせを受けた。レコードは市の資料にはなかったが、報道で事情を知った豊橋市と蒲郡市の2人が豊橋市中央図書館に寄贈した。日本コロムビアにも残っておらず、確認できた音源は寄贈された2枚だけという。

 CDは、刑部さんらが監修し、日本コロムビアから発売された。「刈谷小唄」「観光蒲郡の歌」「躍進四日市」など古関が作曲したご当地ソング47曲が収録されており、解説書つきで税込み3300円。(本井宏人)