トヨタ、EVらしさ生かしたクルマ 「使い勝手」重視、来年半ば発売
トヨタ自動車は29日、2022年半ばに発売する初の電気自動車(EV)専用モデル「bZ4X」の基本性能を発表した。売れ筋の中型SUVで、一度の充電で500キロ前後を走れる。EVの特性をいかして使い勝手の良さを高めたという。今回はグループのスバルと、EV専用車台を開発。こうしたパートナー企業との連携を深めながら、EVでも幅広い車種をとりそろえるフルラインアップ化を加速させるという。
リチウムイオン電池を搭載。航続距離は前輪駆動で500キロ前後、四輪駆動で460キロ前後(いずれも国際的な測定方法のWLTCモード)となる。日産が6月に受注を始めたEV「アリア」(430~610キロ)に近い水準だ。
暖房で電力の消費が増える冬場でも、走行距離を維持することをめざした。効率的に空気を暖めるヒートポンプ式エアコンを導入し、電力消費を抑える。
EVの特性をいかした「クルマづくり」も実現したという。全長は約4.7メートルで中型SUV「ハリアー」と同水準だが、前後のタイヤ間が長いEV専用車台により、室内空間はより広くなった。前後の座席で足元にゆとりを持たせた。遮音性の高い窓ガラスを取り入れ、エンジン音のしないEVの静かな車内環境をより向上させた。走行中の車内でも会話をしやすくした。
開発を担当したトヨタZEVファクトリー主査の井戸大介氏は取材に、「いたずらに航続距離を伸ばすでもなく、価格を追うでもなく、使いやすい車を提供したいということで、開発してきた」と説明した。価格は、明らかにしていない。22年半ばに、世界各地で発売。日本、中国で生産する予定だ。
トヨタの開発陣にスバルのエンジニア
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