コロナ禍で国税が調査チーム 消費税不正還付、9社が5億円追徴

村上潤治
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 消費税の輸出免税制度を悪用して還付申告をしたとして、化粧品やマスクなどを扱う東海地方の貿易会社など9社が、名古屋国税局から消費税計約5億円の追徴課税を受けたことが分かった。コロナ禍が企業活動にも影響を与えるなか、同国税局は消費税の還付申告額が急増した業者に着目し、約100人態勢のチームで調査していた。

 国税幹部は「消費税の不正還付は国から金をだまし取るようなもので、税金を納めない脱税よりも悪質と言える。コロナ禍でも厳正に調査する」と話す。

 調査を受けたのは「MG国際貿易」(岐阜県瑞穂市)など中国系の貿易会社7社と、不動産管理会社など2社。

 関係者によると、貿易会社などは主に、日本製のハンドクリームやマスクといった海外で人気がある化粧品・日用品を販売し、利益を上げていたが、架空の仕入れを計上して、取引先に消費税を支払ったように仮装。さらに売り上げについて、輸出や外国人旅行者向けの免税販売だったように見せかけ、税務署に消費税の還付申告をし、不正に還付を受けたとされる。

 仕入れ先をごまかすため、大手ドラッグストアの白紙領収書を悪用したケースもあったという。

 取材に対し、MG国際貿易の社長は「国税の指摘は納得できず、争っているところだ」、別の貿易会社(名古屋市中区)の社長は「消費税の還付について国税の指摘を受けた」と話した。

 事業者が国内で仕入れた商品を輸出すると、仕入れ時に消費税を支払う一方で、輸出先からは消費税を受け取れない。そのため税務署に申告すると、仕入れでかかった消費税分が還付される。この仕組みを悪用して還付額を膨らませる事案が後を絶たない。

 国税庁によると、昨年6月までの3年間に、還付申告をめぐり意図的な不正があったとして130億円を追徴課税した。名古屋国税局の管内(愛知、岐阜、三重、静岡)では計33億円にのぼった。外国人旅行者に雑貨などを免税品として販売したように装う手口が目立つという。

 同庁は今年7月、不正還付に特化した「消費税専門官」を新設。新宿や渋谷、浦和、静岡、名古屋中、神戸、福岡など全国の主要11税務署に配置した。(村上潤治)