米のGDP、2.0%増 5期連続プラスもペースは鈍化 7~9月期

ワシントン=青山直篤
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 米商務省が28日に発表した2021年7~9月期の実質国内総生産(GDP、季節調整済み)の速報値は、年率換算で前期比2・0%増となった。5期連続のプラス成長だが、市場予想(同2・7%増)を下回った。新型コロナの夏のデルタ株の感染拡大で個人消費が伸び悩んだほか、物流の混乱などによる供給面の制約も加わり米国経済の回復ペースが鈍化している。

 米国はコロナ危機で20年4~6月期に戦後最悪の前期比約31%減となったが、その後、大規模な経済対策やワクチンの普及で景気は回復に転じた。21年4~6月は前期比6・7%増(確定値)となり、GDPの規模はコロナ禍前を超える水準まで回復した。

 しかし、7月からデルタ株の感染拡大でGDPの7割を占める個人消費の勢いが大幅に減速。7~9月期は前期比1・6%増にとどまった。昨年からの経済対策で個人貯蓄は積み上がり、商品やサービスへの需要が増える一方で、人手不足や物流の混乱で供給が需要に追いついていない状況が続く。企業の設備投資は1・8%増、住宅投資は7・7%減だった。

 米国では、国民生活に直結する物価上昇も加速している。米個人消費支出の物価指数は8月まで4カ月連続で前年同月比4%超を記録し、米連邦準備制度理事会(FRB)の物価目標2%の2倍を超えて推移している。FRBは予見していなかったペースの物価上昇について「一時的」と強調するが、FRBの見通しに「永遠でない、という程度の意味だ」(米ワシントン・ポスト紙コラムニスト)などと批判が強まっている。

 FRBがコロナ危機対応で続けてきた金融緩和は市場に資金をあふれさせ、物価上昇を加速させる副作用ももたらす。FRBは11月初旬の連邦公開市場委員会(FOMC)で、米国債などを買い上げて市場にお金を流す「量的緩和」の規模縮小を決める見通しだ。(ワシントン=青山直篤)