アリババ創業者、農業に関心か 政府へのアピールが狙いか

北京=西山明宏
[PR]

 アリババ集団の創業者の馬雲(ジャック・マー)氏が農業に関心――。中国メディアなどでそんな報道が出ている。欧州に滞在中のマー氏が農業関連の施設を次々に訪問しているためだ。習近平指導部がIT業界への締め付けを強める中、政府が重視する食料問題へ協力する意思をアピールするため、との見方も出ている。

 アリババ傘下の香港紙サウスチャイナ・モーニングポストは26日、マー氏がオランダの農業研究施設を訪れたと報じた。スペインでも同様の施設を訪れたといい、今回の欧州訪問全体が農業関連の視察が目的だという。同紙によると、マー氏はアリババが培ってきたビッグデータ人工知能(AI)を活用することで農業の現代化に大きな可能性があると考えている。

 マー氏が昨年10月にあった講演で金融当局を批判したことをきっかけに、中国政府はアリババ傘下の金融会社アント・グループの新規上場を延期させた。今年4月にはアリババが独占禁止法違反で摘発されるなど、中国当局からの監視や締め付けが強まっている。

 シンガポール紙の聯合早報はコラムで、再び起業するなら農業に参入するだろうとマー氏が2019年に話していたなど、農業に以前から関心があったと指摘。「農業の現代化について語ることは、政治的にとても正しい事柄だろう」とし、共同富裕を掲げて食料安全や農村振興を重視する習氏へのアピールになるだろうとした。(北京=西山明宏)