最高裁裁判官の国民審査、在外有権者は投票できず 違憲なのになぜ?

有料記事2021衆院選

ニューヨーク=中井大助
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 衆院選と合わせて31日、最高裁裁判官国民審査も投開票される。しかし、衆院選と異なり、国民審査は海外に住む有権者が投票できない。これを問題とした訴訟では一、二審判決で「違憲」と判決が出たものの、制度が改められていないためだ。

「権利侵害に憤り感じる」

 「最高裁の裁判官について判断する権利は日本の主権者としてあるはずなのに、行使できない。今回も権利が侵害されているのは憤りを感じる」。日米で活動する映画作家の想田和弘さん(51)は、こう語る。

 国政選挙在外投票制度は2000年から実施されている。当初は衆参院の比例区だけだったが、最高裁大法廷が05年、選挙区の投票を認めないのは違憲だと判断し、翌年からは選挙区についても投票できるようになった。

 だが、国民審査は今でも在外投票できない。理由とされているのは、投票形式だ。有権者が投票用紙に候補者や政党の名前を書き入れる衆参院選と異なり、国民審査は投票用紙に裁判官の名前が印刷され、有権者がやめさせたい裁判官について「×」をつける仕組みだ。国は、「用紙を海外に送る作業が間に合わない」としてきた。

 想田さんらは、17年の国民…

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