娘失う「想像を超えた」悲しみ 京アニ放火、遺族は少しずつ心の整理

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鈴木洋和、高木智也
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 京都アニメーション第1スタジオ(京都市伏見区)放火事件で亡くなった渡辺美希子さん(当時35)の母、達子さん(71)と兄、勇さん(42)=ともに滋賀県在住=が29日、大津市の県警本部であった県犯罪被害者等支援推進協議会(会長=辻本哲士・県立精神保健福祉センター所長)の会合で講演した。達子さんは娘を失った深い悲しみについて「想像より一層きつかった」と打ち明け、被害者支援の重要性を語った。

 講演は県警が依頼した。検察庁や弁護士会、児童相談所、民間団体などの関係者約50人が聴講した。

 美希子さんは大学、専門学校を経て京アニに入社した。技術が高く評価され、複数の作品で背景を描くスタッフを束ねる美術監督を務めた。

 講演で達子さんは2019年7月の事件当時を振り返った。

 テレビ報道で事件を知り、美希子さんのスマートフォンに電話したがつながらなかった。京都府宇治市の京アニ本社に向かった。扉を開けると泣き声が聞こえてきた。しばらくして、美希子さんが亡くなったことを知った。

 自分より先に我が子が亡くなるかもと考えたことはあった。ただ、実際の悲しみは想像を超えていた。「子を亡くした経験がある親はどれだけしんどく、もがいてきたのだろう」と思ったという。

 カウンセリングの重要性を感じている。達子さん自身、県警のカウンセリングを受けて心の整理がつくようになり、「助かったし、ありがたかった」。カウンセリングに抵抗を感じる人がいる場合は、「ハードルなんてないんだよ」と働きかけるよう呼びかけた。

 「妹は優しい人。自慢の妹だった」。勇さんも美希子さんに思いをはせた。

 勇さんはアニメが大好きで…

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