グローバル・ヒバクシャへの支援考える 長崎でワークショップ

米田悠一郎
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 核兵器の製造や核実験などで被害を受けた世界の人々(グローバル・ヒバクシャ)への支援策を考えようと、カトリック関係者やNGOでつくる「核なき世界基金」は30日、長崎市ワークショップを開いた。来年3月に開催予定の核兵器禁止条約第1回締約国会議で、具体策を提案することをめざしている。

 基金は2019年にローマ教皇が来日し、核兵器廃絶を訴える演説をしたのを機に、広島のカトリック関係者が呼びかけて20年7月に設立。運営委員には国際NGO・核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)の川崎哲さんや、カトリック長崎大司教区の高見三明大司教、長崎原爆被爆者で医師の朝長万左男さん(78)らが名を連ねる。

 基金には設立1年で、個人や団体から1千万円余の寄付が集まり、国内で核廃絶や核禁条約の批准国拡大などに取り組む団体の支援に使われている。

 1月に発効した核禁条約は、核兵器の使用やこれによる威嚇を禁止しているほか、グローバル・ヒバクシャへの医療ケアや汚染地の環境改善を締約国に義務づけている。ワークショップは市民社会としてこれを体現し、どんな支援策ができるかを具体的に考えようと初めて開いた。

 出席した川崎さんは、長崎や広島以外にも太平洋のマーシャル諸島や中央アジアカザフスタンなど、ヒバクシャは世界中にいると紹介。朝長さんは、こうした人たちを救う新たな国際機関の創設を提言した。

 委員らは今後も協議を続けて支援策をまとめ、締約国会議で提案したい考え。記者会見した朝長さんは「長崎で本格的に核被害者支援の議論をするのは初めて。今日がその策を考えるスタートだ」と話した。(米田悠一郎)