安倍元首相、「再々登板も」の声に一言  山口は自民が4議席独占

2021衆院選自民

垣花昌弘 川本裕司 太田原奈都乃 貞松慎二郎
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 31日に投開票された衆院選で、山口県内では4小選挙区とも自民党公認の前職と新顔が当選した。自民が議席を独占するのは、政権を奪還した2012年衆院選から4回連続になる。野党はすべての選挙区で候補者を一本化して臨んだが、厚い支持層を覆せなかった。投票率は49・67%(前回55・23%)で戦後最低を更新した。当日有権者数は114万658人だった。

1区 高村氏、経済再生訴え再選

 自民前職の高村正大氏が立憲新顔の大内一也氏を破り、再選を果たした。周南市の事務所に当選の報が伝わると、拍手がわき起こった。高村氏は「コロナ禍で傷ついた日本経済をどのように回復していくか、日本の置かれた大変な国際環境のなか、日本人の生命、財産、尊厳をいかにして守っていくか、このことにしっかりと力を尽くしたい」と述べた。

 元自民党副総裁の父・正彦氏が選挙区入りすることはなかったが、山際大志郎経済再生相らが来援。新内閣で財務政務官に就任したことをアピールし、自公政権のもとでの経済再生や防衛力の整備を訴えた。

 3度目の国政挑戦となった大内氏は、育児休業給付金の前払いなど少子化対策消費税減税、コロナ対策を掲げ、頻繁に車を降りて有権者とグータッチを重ねるなど、地道に支持を訴えたが及ばなかった。(垣花昌弘)

2区 岸氏、支援を集めて4選

 前回と同じ顔ぶれの対決となった2区では、岸信夫氏が公認した自民、推薦した公明の組織票に加え、地元首長の支援を集め、4選を果たした。防衛相として東京から離れられず投票日を迎えたが、厚い支持基盤で乗り切った。午後8時過ぎ、オンライン映像で「初めて一回も選挙区に戻れなかったが、皆さんの力のたまもの。わが国の守りを固めていきたい」と語った。

 岸氏に代わり智香子夫人(59)が第一声であいさつし、防衛相秘書官で長男の信千世氏(30)が選挙カーに乗って「これまで以上の支持を」と訴えた。国防力の強化や道路網の整備などを公約に掲げた。

 野党統一候補として臨んだ共産新顔の松田一志氏は、格差拡大を批判し、米軍岩国基地の機能強化や上関原発建設計画への反対を強調。28日には小池晃書記局長が岩国市へ応援に入ったが、及ばなかった。(川本裕司)

3区 林氏、くら替えで初当選

 参院議員を辞職し、くら替え立候補した自民新顔の林芳正氏が初当選を果たした。午後8時すぎ、宇部市内のホテルに当選確実の一報が入ると、「将来の総理総裁に」とくら替えを熱望してきた支持者ら約250人が歓声を上げた。林氏は「この山口3区にふさわしい仕事をする。そして素晴らしい日本の国づくりを全力で進めていく覚悟だ」と力を込めた。

 岸田派幹部の林氏は、二階派幹部で3区前職の河村建夫官房長官(78)と党の公認を争った。公示直前、党執行部が自民県連の推す林氏を公認に決めた。

 林義郎元蔵相の長男として、34歳で参院山口選挙区に立候補し連続5選。5度入閣し、防衛相や農林水産相を歴任した。党総裁選に挑んだ2012年と、17年の衆院選を前に、父の代からの地盤がある3区へのくら替え論が浮上。不発のまま9年が過ぎ、「今回がラストチャンス」と臨んだ。選挙戦終盤は県外の候補者の応援にも入った。

 立憲新顔の坂本史子氏は、野党統一候補として「非自民」票の取り込みをめざしたが支持が広がらなかった。(太田原奈都乃)

4区 安倍氏、危なげなく10選

 自民前職の元首相、安倍晋三氏が強固な支持基盤を背景に、危なげなく10選を果たした。下関市の事務所で、当選確実の速報に沸く支持者を前に「下関、長門がにぎわいを取り戻し、若い皆さんにとって将来夢のある街となるように、今までの経験、培った力を生かす」と語った。

 2009年の衆院選以来、12年ぶりに地元で第一声を上げた。選挙戦最終日も地元で街頭に立ち、応援演説をしたジャーナリスト桜井よしこ氏は「3回目の総理大臣になっていただきましょう」と訴えた。伊藤昭男後援会長も31日、「再々登板もあるんじゃなかろうか」と期待を示したが、安倍氏自身は取材に「昨年辞めたばかりなので、岸田総理を支える」と述べた。

 れいわ新顔で、野党統一候補の竹村克司氏、公示直前に立候補表明した無所属新顔の大野頼子氏は浸透しなかった。貞松慎二郎

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