議席は減らしたが、単独で絶対安定多数を維持した自民党。全国の「こども食堂」を支援する社会活動家の湯浅誠さんは、いまこそ「岸田カラー」に期待するという。背景にある社会の底流の変化と、今後の政治に求めることを聞いた。
自民党は単独で絶対安定多数を確保しました。岸田文雄政権は、有権者の信任を得たと言えます。
首相は、自民党総裁選で「新しい資本主義」を掲げ、新自由主義からの政策転換を打ち出しました。それは、国連のSDGs(持続可能な開発目標)とも共鳴し、世界の潮流に沿うものです。所信表明演説でも、「改革」という言葉を一度も使わず、テレビ番組では、改革という言葉は「弱肉強食の冷たいイメージがついている」と語っていました。
コロナ禍、はっきり見えたのはコロナ以前からのゆがみ
総裁選の公約だった「金融所得課税の見直し」を先送りするなど、トーンダウンを指摘する声もありました。安倍晋三元首相や麻生太郎副総裁ら重鎮に配慮し、岸田カラーが打ち出せないのではないかという懸念もありました。
自民党が単独過半数を得た一方、改革を掲げる日本維新の会が躍進した10月31日投開票の衆院選。記事後半では、湯浅さんが社会活動家としての立場から、選挙後の政治に何が求められているかについて語ります。
自民党内だけではありません…