自民が全敗「吉村さん人気は大きかった」 大阪に吹いた維新の風
衆院選では、大阪府内の小選挙区で維新が大勝し、全国的に堅調だった自民が全敗する結果になった。新型コロナ対策などについて論戦が交わされた衆院選の投開票から一夜明けた1日。各党の候補者たちは早朝から街頭に繰り出し、それぞれの決意を語った。
大阪2区で初当選した維新新顔の守島正氏(40)は1日朝、事務所近くの大阪メトロ昭和町駅前(大阪市阿倍野区)に立ち、通勤客などに「ご支援ありがとうございました」と頭を下げた。
大阪2区で維新が勝利するのは初めて。維新は大阪府内の19選挙区のうち、公明候補がいる4選挙区を除く15選挙区を制した。
守島氏は早朝に確定票を確認したといい、「これほどまでに差がついたことも含め、多くの人に期待を寄せてもらった。改めて身が引き締まった」。今後については「躍進したといえど、自民党と対峙(たいじ)するところまでは行かず、第3極の立場。党勢拡大に尽力したい」と意気込みを語った。
「おはようございます。自民の高麗です。力不足で申し訳ありませんでした」
大阪8区で落選した自民新顔の高麗啓一郎氏(41)は午前7時、大阪府豊中市の阪急豊中駅前にスーツ姿で立ち、通行人に何度も頭を下げた。
維新新顔に約5万票差で敗れた。「維新、というより吉村さん人気は大きかった。無党派層はほとんど取られてしまった」。党副代表・吉村洋文知事の影響を敗因に挙げた。
自民は擁立した15人が敗れ、比例復活も2人にとどまった。この結果について、「自民党支持層を固めるだけでは足りない。無党派層がもつイメージを変え、抜本的に戦略を見直す必要があるのではないか」と語った。
立憲民主党も大阪府内の小選挙区で議席を得ることはできなかった。
前職の辻元清美氏(61)は大阪10区で維新新顔に敗れ、比例復活も果たせなかった。午前7時にJR高槻駅前に立ち、市民らに頭を下げた。激励の言葉をかけられると笑顔を見せ「また一から出直すね」と力を込めた。
8選をめざした選挙戦の中盤、報道各社の情勢調査で維新候補との接戦が報じられた。街頭で維新批判を増やす戦略に転じたが、猛攻にのみ込まれた。
議員バッジを失うことが判明した1日未明。報道陣に「途中から非常に大きな風を感じた。維新は10区だけでなく、大阪で大きな支持を得ている。しっかり自覚をしていかなければいけない」と話していた。
今後については、「みなさんと相談しながら考えたい」、党副代表や府連代表については「責任をとって辞任するのが筋だと思う」と述べた。(久保田侑暉、浅沼愛、細見卓司)
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