自らの絵を燃やした画家 奥谷博の尽きせぬエネルギー

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田中ゑれ奈
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 文化勲章画家の尽きせぬエネルギーに圧倒されよ――! 鮮烈な色彩の具象画で現代洋画界を率いる奥谷博の大規模回顧展「奥谷博―無窮へ」(朝日新聞社など主催)が3日、高知県立美術館で始まった。少年時代の習作から、試練を越えて描き上げた新作まで「洋画と日本画の融合」を探求してきた画業の全容に迫る。

 神奈川・葉山のアトリエには、千体千手観音の巨大な絵が掛かる。2010年発表の作品に、再び手を加えている最中という。「僕はね、いつまででも描いてるんですよ。座右の銘は『藝術無終(げいじゅつむじゅう)』」。87歳にして日に7時間も創作に向かう。

 生まれは現在の高知県宿毛市、農家の末子。油絵の具など手に入らなくても、クレパスや水彩でずっと絵に励む少年だった。2浪して東京芸術大学へ。油画科4年から師事した独立美術協会の重鎮・林武の影響でフォービスム(野獣派)の厚塗り表現を追究し、自身も独立展に入選するなど頭角を現す。だが、当時の作品は今、ほとんど残っていない。

 転機は、公募展に落選してシ…

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