三菱電機、テレビ事業から事実上撤退へ 「製品競争力の維持が困難」
村上晃一、内山修
三菱電機は1日、液晶テレビ事業の縮小を発表した。家電量販店への出荷は9月で終了し、系列の電器店への出荷も2024年3月までとする。事業は他社に売却せず、事実上の撤退となる。「市場環境の変化で製品競争力の維持が困難になった」としている。
国内の電機大手でテレビの自社生産や販売を続けるのは、シャープとソニーグループ、パナソニック3社となる。
三菱電機の液晶テレビのREAL(リアル)は04年に発売。画面の向きをリモコンで変えられるオートターン機能や、音質のよいスピーカーなどを売りにしてきた。京都製作所(京都府長岡京市)で設計・開発され、タイの工場で生産されている。
家電市場の調査を手がけるBCNによると、家電量販店などを通じた一般顧客への薄型テレビの販売シェアは、20年で1・9%だった。ピークの10、11年でも3・5%で、シャープやソニーなどよりも全体的に下回っていた。
■家電量販店向け出荷は9月に…