同盟国と深める友好、中国とは深まる溝 G20で見えたバイデン外交

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ローマ=高野遼、疋田多揚、北京=高田正幸
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 2年ぶりの対面開催となったローマでのG20サミットで、バイデン米大統領は欧州との連携強化に奔走した。6月のG7から参加国が先進国以外に広がったG20で浮かび上がったのは、同盟国や友好国を中心とした米国の「国際協調」だ。中国との溝は深まったままだ。(ローマ=高野遼、疋田多揚、北京=高田正幸)

バイデン流で存在感を発揮

 バイデン氏は31日、サミット閉幕後の記者会見で「世界を束ねて大きな課題を解決するため、同盟・友好国からは米国の指導力を強く求められた」と述べ、自らが存在感を発揮できたと総括した。

 「米国第一」を掲げたトランプ前政権から一転、バイデン政権には国際協調の路線を印象づけ、同盟・友好国との関係を深める狙いがあった。

 パリ協定から離脱した前政権とは対照的に、バイデン政権は気候変動対策を外交の柱の一つに掲げ、議論をリードした。トランプ氏が消極的だった世界共通の法人税の最低税率についての国際合意をめぐっても、米国が各国と協力して推し進めた成果だと強調した。

 G20サミット中には、鉄鋼などの追加関税をめぐって欧州連合(EU)との紛争解決に合意。強硬路線を敷いて欧州との亀裂が目立った対イラン政策においても、英独仏と首脳会談に臨み、歩調を合わせた。

 フランスのマクロン大統領は31日の記者会見で「(気候変動での)我々の困難は、4年間の米国の不在だった。バイデン政権が再び関与し、遅れを取り戻そうとしていることを歓迎したい」と述べた。

 ただ、バイデン政権の「国際協調」は同盟・友好国の枠を出た広がりを見せたとは言いがたい。

 価値観を共有するG7とは異なり、G20には多様な国々が加わり、本来は気候変動や世界経済といった地球規模の課題に一致して取り組むことが期待される。だが閉幕後の会見で、記者から温暖化対策の不十分さを指摘されると、バイデン氏は「中国とロシア」を名指しで批判。両国との深い溝を強く印象づけることにもなった。

中国、対抗心と警戒感あらわ

 米国が同盟・友好国との関係改善を重視したのは、中国包囲網を築きたいという意思の裏返しでもある。

 バイデン氏は31日、サプライチェーンの安定化を目指し、強制労働の排除やサイバー攻撃対策などに取り組む国際イベントをローマで主催。中国を意識したのは明白で、欧州や日韓など15カ国・地域が参加した。

 一方、中国の習近平(シーチンピン)国家主席は30日、米国の動きを牽制(けんせい)するかのように「供給網の強靱(きょうじん)性と安定性に関する国際フォーラム」の開催を提案した。両国首脳がオンライン会談を調整するなかにあって、バイデン政権への対抗心と警戒感を浮き彫りにした。

 習氏はG20で現地参加こそ…

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