衆院選「誰でも持っている生きる権利」問うべきだった 中島京子さん

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 新型コロナ禍の中で行われた衆院選を、直木賞作家の中島京子さんは「人が生まれてきた以上誰でも持っている、生きる権利」が問われるべきだった、と指摘する。8月には入管収容問題をテーマにした長編『やさしい猫』を発表し、外国人というだけで命が軽視され、人権が脅かされる日本社会を描いた中島さんに寄稿してもらった。

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 憲政史上異例の短期決戦と言われた2021年衆議院議員選挙が投開票を終えた。

 有権者として外せない注文がある。投票時間を繰り上げないでいただきたい。約1万7千か所の投票所で、経費節減などを理由に時間が短縮されたと読売新聞オンラインで報道されていたが、投票の意思があるのに時刻に間に合わなかった人はいないのだろうか。そういう人が一人でもいる可能性のために、投票所は開いておかなければならない。選挙管理委員会の仕事はむしろ、最後の時刻まで有権者に投票を促すことではないだろうか。

 今回の選挙で、自公政権絶対安定多数を維持したが、巷間(こうかん)言われているように、現在の選挙制度と、50%ほどの低い投票率の下では、絶対得票率が20%程度でも選挙区の議席を獲得できる。自公政権のコロナ対策などは、けっして支持されていたとは思えないのに、あたかもそれを承認するような結果が出たのは、やはり投票率の低さと無関係ではないだろう。

 どうして多くの人が選挙に行かないかというと、選挙があまり大切にされていないから、と感じるのは私だけだろうか。投票時間の繰り上げの件もそうだし、よくテレビの報道番組が拾う街の声などを聞いても、「投票など行っても行かなくてもいいもの」と、多くの人が思っているのを感じる。それは取材される街の人も、取材するメディアの側も、双方に感じられる軽さだ。

 とくにテレビ報道は、この短…

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