コロナ対策に格差是正 衆院選から一夜明け、愛媛の当選者5人が抱負
衆院選の投開票から一夜明けた1日、愛媛県内4小選挙区で当選した前職1人と新顔3人、比例四国ブロックで復活当選した前職1人の計5人が松山市内で報道各社の共同取材に応じた。新議員となる5人は笑顔で当選の喜びを語り、力を込めて抱負を述べた。
県内の小選挙区は、自民が2014年の前々回以来の4議席独占を果たした。
1区で初当選した塩崎彰久氏(45)は「子育て世代を代表するつもりで、子どもたちが次の時代に抱える課題も逃げずに議論したい」。コロナ対策を最優先に掲げ、「コロナの次の波が来ても、くらしや経済を止めない強い社会づくりに取り組む」と述べた。父の恭久氏と過去に選挙戦を戦った中村時広知事との向き合い方を問われ、「尊敬する大先輩。お知恵を借りながら、政策を前に進めたい」。
2区で12選を果たした自民党県連会長の村上誠一郎氏(69)は、自民4議席のうち自身以外の3人が新顔であることに触れ、「立派でフレッシュな方を通していただき、ありがたく思う」。森友・加計学園問題などを挙げ、「党がけじめをつけていないことは申し訳ない。まずいことはまずいと言える同志でありたい」と語った。
激戦となった3区を制し、初当選した井原巧氏(57)は「地域格差の是正」を最優先課題に挙げた。「弱い地域や人に光をあてるため、国会や地方の議員、首長がチームとしてテーブルにつき、知恵を結集したい」と話した。
4区で初当選した長谷川淳二氏(53)は「南予は西日本豪雨からの復旧・復興が正念場。人口減少など課題も山積みだ」と述べた。かつて副知事として支えた中村時広知事について「知事は先輩であり同志。チーム愛媛として同じ方向を向いて力を合わせたい」と話し、連携を重視する姿勢を強調した。
3区で井原氏との一騎打ちに敗れ、比例で復活当選した立憲前職の白石洋一氏(58)は「地域にどっぷりつかり、気軽に相談できる便利な議員をめざす」と意気込んだ。自民の4議席独占については「政治にバランスをもたらすのは野党の役割。次こそはという気持ちだ」と語った。
衆院選の結果を受け、中村知事はこの日の記者会見で、「地方から出る議員は徹底的に地方の立場に立った活動をしてほしい」と新議員に期待を寄せた。今回の選挙戦について「最初は政策論争が低調だったが、徐々に関心が高まり、投票率が前回を上回ったのはよかった」と話した。(照井琢見、伊東邦昭)
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