第1回手を出した「禁断」の電気ショック漁法 中国の湖から消えた漁師たち

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洞庭湖〈中国湖南省〉=平井良和
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 世界第3位の全長6300キロ、無数の支流もあわせ持つ大河・長江は中国の人々に「母なる川」と呼ばれる。9月半ば、その中流域にある洞庭湖を訪ねた。中国で2番目に広い淡水湖で、琵琶湖の4倍以上もある。

 湖の東に位置する湖南省岳陽市鹿角村の草が生い茂る高台に立つと、波の少ない穏やかな水面が水平線まで一望できる。唐代から中国の食卓を代表する魚とされてきたアオウオ、ソウギョ、ハクレン、コクレンなどが泳ぎ回り、流域でも屈指の漁場となってきた。

 およそ300戸の漁師が拠点としてきた鹿角村は、そのにぎわいから「小香港」の異名をとった。

 湖畔の小さな埠頭のそばに、漁から戻った漁師が跳ね回る魚を満載した小型の船を次々につけ、先を争って買い付けに来る業者たちがせわしなく行き交う――そんな風景が日常で、漁師は1日で農家の1年分の収入を稼ぐと言われていた。

かすれた「活魚」の文字

 だが、実際に訪れた村は静まり返っていた。湖上にも、埠頭(ふとう)にも、岸辺にも、漁船は1隻もない。

中国の急速な経済成長と引き換えに、深い傷を負った長江。その代償と向き合い、川とともに生きる人たちの姿を3回にわたって報告する連載の1回目です。

 中国政府が今年から、長江流…

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