第2回禁漁10年は「ぎりぎりの応急措置」 87歳研究者が見た長江の危機

有料会員記事

武漢=平井良和
[PR]

 すぐに飽きて、やらなくなることを例える「三日坊主」。中国ではこんな言い方をする。

 「3日漁に出たら2日網を干す」

 だが、60年以上を長江の魚の研究に捧げた老研究者は、異なる解釈を語る。

 「川を休ませる知恵を伝える言葉だった」と。

 湖北省武漢市にある中国科学院水生生物研究所の学術委員会主任・曹文宣さん(87)。今年から長江の全域で始まった天然魚の10年間の禁漁を、曹さんは15年前から求めていた。

 研究所を訪ねると、曹さんは杖をつきながらも、一歩一歩、確かな足取りで自身の研究室まで通してくれた。

 机の上には、資料がうずたかく積まれていた。それでも曹さんはどこに何があるかを把握していて、説明に必要な資料をすぐに探し当てた。

 そして、「私が15年前に禁漁を訴えたとき、もう長江は危機に直面していた」と切り出した。

「母なる川」の危機、訴え始めた

 長江はもともと、中国で最も生態系が豊かな川だ。

中国の急速な経済成長と引き換えに、深い傷を負った長江とともに生きる人たちの姿を報告する連載の2回目です。60年以上、長江の魚の研究を続けてきた曹文宣さんの思いとは。記事後半でたっぷり伝えます。

 チベット高原から東シナ海ま…

この記事は有料会員記事です。残り2004文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
【1/24まで】2つの記事読み放題コースが今なら2カ月間無料!