あれは、クリスマスイブの少し前だったか。
昨冬。コロナ禍でも、東京の街はイルミネーションがそれなりにきらめく。
自宅近くを一緒に歩いていると、カノジョが言いづらそうに切り出した。
「次の衆議院選挙で立候補したいなって……。どう思うかな」
――は?
この人、なに言ってんだろう。
交際して8年。そういえば、東日本大震災のボランティアに行って「政治家になりたい」って言ってたな。学生時代、「発信力を磨きたい」とアナウンススクールにも通っていたっけ。
本気だったんだ。でもまだ24歳じゃん。
東京都内で会社勤めをしていた男性は、中学高校で同級生だったカノジョから「選挙に出たい」と切り出され、「思考停止」するほど驚きました。2人のその後を、同学年にあたる記者が取材しました。
地元の知り合いに、「立憲民主党から立候補しないか」と声をかけられたようだ。
「だまされてる」「普通やらない」強く反対した
数日後、こう伝えた。
「絶対だまされてる。いいように使われるだけだから、やめた方がいい。普通、やらないでしょ」
どう見ても、あきらめそうに…