軽石、ビーチに並ぶ土囊 コロナ落ち着き「これから」の矢先
初見翔 前田健汰
小笠原諸島の海底火山「福徳岡ノ場」の噴火でできた大量の軽石が漂着した沖縄で、観光や養殖業などに深刻な被害が出ている。撤去しても相次ぎ漂着する軽石に、先行きを不安視する声が漏れる。
沖縄本島北部、県内屈指のリゾート地・恩納村。全長約150メートルのプライベートビーチを持つあるホテルでは、10月下旬からビーチで軽石が確認され、30日以降は大量に打ち寄せるようになった。ホテルの従業員が仕事の合間を縫って撤去。31日、波打ち際には、軽石が入った土囊(どのう)袋が数十袋並んでいた。
コロナ禍で、夏の観光シーズンの客足は例年の4分の1ほどに。10月に緊急事態宣言が解除され、「これから」という矢先の被害に関係者の落胆は大きい。従業員の男性(55)は「お客さんはビーチ目当て。きれいにするしかないが、先が思いやられる。もう人力では、手に負えない」。
重機を使った撤去作業を近く始める予定だが、回収した軽石の処分方法は決まっていないという。
本島中部の東海岸沖に浮かぶ浜比嘉島(うるま市)の漁港では31日朝、地元の漁師5人ほどが軽石をシャベルでかき集めていた。
2時間以上作業を続けて、1…