新銀行構想、検討を中止 山口FG 金融庁が報告徴求命令

女屋泰之、編集委員・堀篭俊材
[PR]

 山口フィナンシャルグループ(FG)は1日、消費者金融アイフルと全国区の新銀行を設立する構想について、検討を中止すると発表した。構想を主導していた吉村猛・前会長兼最高経営責任者(CEO)の検討の進め方にガバナンス上の問題があったと認定した。金融庁は山口FGに対し、今後の対応を説明するよう報告徴求命令を出した。

 山口FGは12月24日に開く臨時株主総会で、吉村氏を取締役から解任する役員人事案をはかることも発表した。10月14日に取締役会は辞任勧告を決議したが、現在まで吉村氏は応じていない。

 6月の定時株主総会では、吉村氏は99%の賛成率で取締役として承認されており、株主の判断が注目される。

 山口FGが10月14日に公表した調査報告書によると、吉村氏は3月、個人金融を専門とした新銀行を設立することを、取締役会に説明しないままアイフルと合意。借入額の上限に達するまでは利息だけの返済にとどめる独自のローン販売を検討した。さらに新銀行のCEOには、旧知のコンサル元代表を1億円以上の報酬で採用する計画だった。

 山口FGは新銀行構想について、吉村氏の検討の進め方に関するガバナンス上の問題に加え、地方創生を重視する同社のビジネスモデルにもあわないと判断し、検討の中止を決めた。

 今後は経営トップの独断専行を防ぐための改善策を打ち出す方針。金融庁も企業風土の改善に向けた対応について、11月中の説明を求めている。(女屋泰之、編集委員・堀篭俊材