パリ協定目標の実現、IPCC報告書の科学者6割が懐疑的 英誌調査

川田俊男
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 国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書の著者のうち3分の2近くが、今世紀末までに世界の気温が産業革命前より少なくとも3度上昇すると予想していることが、英科学誌ネイチャーのアンケートで明らかになった。

 温暖化対策の国際ルール「パリ協定」は気温上昇を2度未満、できれば1・5度に抑える目標を掲げるが、多くの科学者が実現には懐疑的であることが示された。英国で10月末から始まった国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)では、各国が目標達成のために対策を強化できるかが焦点となる。

 IPCCは今年8月、地球温暖化の科学的根拠をまとめた報告書(第6次評価報告書)を公表した。今後20年以内に気温上昇が1・5度に達する可能性があるとし、温暖化の原因は人類が排出した温室効果ガスが原因であることに「疑う余地がない」と断定した。

 アンケートは、IPCC報告書の著者233人に送り、約4割の92人が回答した。このうち60%は、今世紀末までに世界は少なくとも3度上がると予想していた。一方、20%以上が2度以下に抑えることができるとし、4%が1・5度に抑える目標を達成できるかもしれないと回答した。

 また、88%は世界は気候危機に直面していると考え、82%が自分が生きている間に気候変動による壊滅的な影響を目の当たりにすることになると答えたという。

 記事は1日付電子版に掲載された。(https://www.nature.com/articles/d41586-021-02990-w別ウインドウで開きます)。(川田俊男)