国が関与した女性たちへの性暴力に光を 戦後日本を舞台に一人芝居

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荻原千明
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 終戦直後の日本を舞台に民族保護の名目で集められた女性たちへの性暴力に光を当てようと、劇作家で精神科医のくるみざわしんさん(55)が、「あの少女の隣に」と題した一人芝居を作った。背中を押したのは「語られず、ないものにされてしまう」という危機感だ。東京都内で3~5日、上演される。

 物語は、第2次世界大戦に敗れた直後、日本政府が米軍による性暴力を恐れて民間業者に慰安所を設置させた史実を基にしている。ある警察官が、上司の命令で日本の女性を集め始めた。念頭にあったのは、空襲で焼け出されたり夫を失ったりした女性たちだ。警察官は「強制じゃない」「助けてやっている」などと、女性が勝手に体を売っているように見せるために苦心するうち、狂いそうになる――というストーリーだ。

 きっかけは2019年、慰安婦を表現した「平和の少女像」などを展示する国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」の企画展「表現の不自由展・その後」が中止に追い込まれたことだ。この問題について話す演劇関係者の集まりで、若い男性が「慰安婦は事実かどうかわからない」という前提で話すのを見た。

 政府は1993年の「河野談…

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