なぜ病床は足りなくなったのか。この夏の新型コロナウイルス感染症の「第5波」で問題だった点や、改善すべきポイントについて、感染症の専門家やコロナ患者を受け入れてきた病院の関係者らに聞きました。4回目は、がん研有明病院(東京都江東区)の佐野武院長です。
東京都の要請を受けて昨年12月末、コロナ患者専用の病棟をつくりました。整形外科、形成外科(42床)の患者に別の病棟に移ってもらい、軽症や中等症のコロナ患者を受け入れてきました。
この時期に受けたのは、原則として計15人までで、1日あたりは2人まで。さらに感染者が増えた「第5波」では、計20人まで、1日あたり3人まで受けることにしました。
医師は6人ずつ、2週間交代でチームを組み、手術も外来の診察もしない専従としました。看護師は22人をコロナ担当とし、8月末にはさらに5人ほど増やしました。
手術延期を準備
5波で困ったのは、重症患者を受け入れている他の病院のベッドが埋まっていて、重症化した患者の転院ができなかったことです。
10床あるICU(集中治療…
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