戦没者遺骨のDNA鑑定、遺族の申請広がる ボランティアが支援

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武沢昌英
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 太平洋戦争の戦闘地域で見つかった戦没者遺骨の身元特定のための国のDNA鑑定の対象地域が拡大されたのを受け、沖縄戦などで戦死した北海道内出身者の遺族らがボランティア団体の支援を受けながら鑑定の申請をしている。高齢化が進むなか、「戦死」の知らせだけで遺骨が手元にない遺族にとって、最後の頼みの綱となる鑑定は時間との闘いでもある。

 厚生労働省は戦没者遺骨のDNA鑑定を2003年度から始めた。だが、当初は原則、名前入りの遺留品が近くにあるなど特定への手がかりのある遺骨に限られていた。17年度からは遺留品がなくても沖縄県内の特定地域、20年度からは硫黄島東京都)、太平洋中部のタラワ環礁(キリバス)に限定して対象としてきた。

 さらに今年10月、海外を含むすべての地域で収集された遺骨について、手がかりがなくても死亡場所などの一定の情報があれば鑑定の申請を受け付けることにした。

 ただ、DNA鑑定が戦没者遺骨の身元特定に生かされていることは、遺族にはあまり知られていない。遺族に連絡を取って全国各地に足を運び、申請の手伝いをしているのが、沖縄県で遺骨収集、遺留品の遺族への返還を続ける団体「みらいを紡ぐボランティア」だ。

 事務局長で写真家の浜田哲二さん(59)=青森県深浦町在住=は二十数年前、取材で訪れた沖縄県で遺骨収集をしている人たちと知り合い、「取材だけでなくやってみたら」と誘われた。頭蓋骨(ずがいこつ)や手足の骨の一部、爆撃にあったためか「これが人骨か」と疑うほど粉々に砕けた骨――。骨のそばから万年筆や双眼鏡などたくさんの遺留品が見つかった。

 「これはもう(遺骨収集を)身(み)入れてやらなあかん」と決めた浜田さんは毎年、休みを取って妻の律子さん(57)と遺骨を収集してきた。11年前からは毎年1月から約3カ月間、那覇市などで長期滞在者用のアパートを借り、収集を続ける。8年ほど前から大学生たちも加わるようになった。就職後も休暇を取って来る若者を含め、今も毎年5、6人がやってくる。

 19年3月、浜田さん夫妻と…

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