運転中の眠気を覚ますなら……体験してつかんだ「懐メロ」の効果

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三浦惇平
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 ドライバーに不快感を与えずに眠気を覚ますシステムを、トヨタ自動車系部品大手のトヨタ紡織愛知県刈谷市)が開発中だ。居眠り運転を防ぐことで、事故を減らすねらいだ。音で眠気を覚ます仕組みだが、流すのはけたたましい警告音ではなく、若かりし日々を思い出させる「懐メロ」だ。

眠気を覚ますシステムの開発に、トヨタ紡織が挑んでいます。なぜ、「懐メロ」を流すのか。その狙いと、実用化に向けた現在地を紹介します。

 愛知県豊田市の猿投工場にある研究開発拠点の一室には、運転環境を再現できる「ドライブシミュレーター」がある。このシミュレーターに社員たちが乗り込み、「眠気抑制シートシステム」のテストは繰り返されてきた。

 このシステムは、運転席前のカメラでドライバーの顔を撮影。まぶたの開き具合とまばたきの頻度をもとに眠気を察知すると、車内のシートやドアに取り付けられたスピーカーから音楽が流れて、シートが振動する。そうして眠気を覚ます仕組みだ。

年齢をもとに自動で選曲

 ポイントは「音楽」だ。運転中の居眠りを防ぐために警告音を鳴らす仕組みは、高級車を中心に導入が進む。しかし、けたたましく鳴る音は、ドライバーの注意を喚起するだけでなく、不快感も与える。単調な音を繰り返せば、慣れにつながる恐れもある。効果を高めるためには、別の音を考える必要があると開発陣は考えていた。

 たどり着いたのが、「懐かしさを感じる音楽」だった。心が震えるような感情を喚起して、眠気が覚めやすくなるという実験データも得たという。

 システムでは、ドライバーの年齢を入力し、学生時代から20代までの間にヒットしていた曲を自動で選んで流すようにした。どんな曲を採用したかは、「研究中で明らかにできない」としている。

 眠気を検知する技術は、大手…

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