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脳の変化で起こる痛み、「痛覚変調性疼痛」と命名 治療法開発に期待

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阿部彰芳
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 体の損傷などの明らかな原因がなくても痛みが長引く場合があり、脳の神経回路の変化が影響していることが最近の研究でわかってきた。国際疼痛(とうつう)学会が「第3の痛みのしくみ」として提唱。日本疼痛学会など痛み専門の国内8学会の連合が今秋、「痛覚変調性疼痛」と呼ぶことを決めた。名称の決定で、従来の痛みのタイプとの区別が明確になり、治療法の開発の後押しになると期待される。

 痛みの発生は従来二つのタイプで説明されてきた。一つは、けがや炎症で組織が傷つき、痛みの信号が出て起きる「侵害受容性疼痛」。もう一つは手術や事故、脳卒中などで神経が損傷して起きる「神経障害性疼痛」だ。だが、どちらにも当てはまらない痛みに苦しむ人は多く、痛む部位を調べても原因となるような異常は見つからず、医療の中であいまいな位置づけになってきた。

 国際疼痛学会は2017年、様々な要因で脊髄(せきずい)から脳にかけた痛みを生み出す神経回路が変化し、痛みが生じたり、痛みに過敏になったりするというしくみを提唱した。

 そのうえで、「ノシプラスチック」の痛みと名付けた。「ノシ」は痛みの信号とそれに対する神経の反応、「プラスチック」は神経細胞の興奮や神経細胞間のネットワークが変わりうる性質を意味している。

 国内でも昨秋に発足した日本痛み関連学会連合が用語委員会を立ち上げ、今秋、ノシプラスチックを「痛覚変調性」と呼ぶことを決めた。

 この痛みは、痛みへの恐怖、不安、怒りやストレスといった社会心理的な要因が大きく関係する。それらの影響で、神経回路が変化し、痛みを長引かせ、悪化させるとみられている。従来の二つのしくみで起きた痛みが続く場合も、このしくみが加わって、治りにくくなることもある。

 こうした脳内の変化は、19…

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