全日本大学駅伝に6回目出場の大学院生 速さ引き出した別競技とは

辻隆徳
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 第53回全日本大学駅伝が7日に行われる。輝かしい経歴を持つエースランナーが、号砲の瞬間を心待ちにしている。

 本大会への切符を、自らの走りで引き寄せた。東北大の松浦崇之(院2年)だ。

 東北地区選考会の16キロの部では独壇場だった。スタート直後から先頭に出て、他を寄せつけなかった。48分34秒は2位に2分30秒以上の差をつけた。走り終えた松浦は「タイムもよかった」と疲れた表情ひとつ見せなかった。

 日本学連選抜の一員として出た大学4年時を含め、これで6大会連続での本大会出場。同じ大学駅伝でも箱根は、大学のメンバーとしてエントリーできる回数が1人4大会までと定められている。出場回数の制限がない全日本だからこその記録だ。

 松浦の選考会での記録は、昨年から1分以上速くなった。その要因は「競歩」にあるという。

 昨秋に右足を負傷し、しばらく強度の高い練習ができなかった。そんな中、冬場に卒業を控えた競歩を専門にする選手と一緒にほぼ毎日、2時間歩いたという。「この経験で『中距離型』から『長距離型』に体が変わったと思う」と分析する。

 大学院では地球温暖化をテーマに学んでおり、現在は海中の二酸化炭素について解析しているという。研究が忙しい時期は月間走行距離がゼロになることもあるというが、「大変とは思わない。毎日陸上に頭を使わないことが、逆にリフレッシュになっている」。11月には研究発表も控えており、「ここからはより陸上と研究のバランスが大事になってくると思う」と話す。

 全日本での目標は東北大記録である5時間41分20秒(2004年、18位)の更新だ。2年生のときにあと5秒まで迫った。「あのときと同じくらいか、それ以上で走れる総合力はある」。最後の伊勢路で悲願に挑む。(辻隆徳)