民主、共和両党が米上下両院の過半数を争う来年11月の中間選挙まで1年。選挙に向けた動きを追った。
「彼女が皆さんを代表していると思いますか?」
「ノー!」
米西部のワイオミング州シェリダンでの共和党主催の夕食会。ゲストスピーカーのトランプ前大統領の側近が問いかけると、会場の人々から一斉に声が上がった。
聴衆が怒りの矛先を向けたのは、地元選出のリズ・チェイニー共和党下院議員だ。
ワイオミング州は、元々はチェイニー氏の金城湯池だった。父親のディック・チェイニー氏は同州選出の下院議員やブッシュ(子)政権の副大統領を歴任。チェイニー家の知名度と影響力は絶大で、娘のチェイニー氏も過去3回の選挙では圧勝を重ねてきた。
ところがいま、異変が起きている。大統領選挙敗北後も「大規模な不正があった」と根拠のない主張を続けるトランプ氏に対して、チェイニー氏が「民主主義を傷つける」と批判の急先鋒(きゅうせんぽう)に立っているからだ。
カウボーイ姿で夕食会に出席…