中曽根、福田、小渕… 世襲の功罪、落語家・林家正蔵の言葉に思う

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編集委員・小泉信一
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編集委員・小泉信一コラム

 「夏草や兵(つわもの)どもが夢の跡」。かの松尾芭蕉はそう詠んだが、選挙戦が終わった後は一抹の寂しさが漂う。月日はめぐり11月。冬の訪れを告げる冷たい北風に枯れ草がなびいている。

 議席数は減らしたものの、国会を安定的に運営できる「絶対安定多数」の261議席を自民党が確保した今回の衆院選。群馬では、五つの小選挙区すべてで自民前職が当選した。

 公認問題で揺れた1区は比例から転じた中曽根康隆氏(39)が圧勝。4区は党総務会長の福田達夫氏(54)が堅調な戦いを見せて4選。5区は小渕優子氏(47)が野党候補を大差で圧倒、8選を果たした。

 中曽根、福田、小渕……。3氏に共通するのは、祖父や父が首相経験者ということである。地盤(後援会)、看板(知名度)、かばん(資金力)。それらを継承した「世襲政治家」という見方もでき、「群馬から再び首相を」という声も陣営から聞こえてくる。

 福沢諭吉は「門閥制度は親の敵でござる」と家柄で決まった幕藩時代を批判した。たしかにカネや権力が集中するため、世襲を否定する見方はうなずける。知名度で差をつけられ、新しい人が挑戦しにくい面も否定できない。

 「格差社会」と呼ばれる現代ニッポン。棄権した20代の青年は「俺たちとは住む世界が違う」。最初からあきらめ顔だ。ハロウィーンと重なった10月31日の投開票日。仮装して街に繰り出した若者のうち、投票所に行った人はどのくらいいただろう。

 とはいえ、世襲政治家にも優秀な人はたくさんいるはずだ。単純に「いいか」「悪いか」の二分法で判断するべきではないだろう。

 林家正蔵さん(58)が脳裏…

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2021衆院選

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