走りながら吐き、それでも前へ…3100マイルの旅で見つけた答え

有料会員記事

ニューヨーク=藤原学思
[PR]

 なんのために走るのか。だれかに勇気を与えるためか。違う。そんなにかっこいいものではない。それはただ、自分自身を保つためだった。

 10月26日夜、瀬ノ尾敬済(たかすみ)さん(38)は米ニューヨークの住宅街で、ゴールテープを切った。52日間かけ、約4989キロの距離を走る「シュリチンモイ自己超越3100マイルレース」。完走は日本人初の快挙だった。履きつぶしたランニングシューズは、19足になった。

 「なにも考えられなかった。淡々としていた。でも、しばらくしてからこみ上げてくるものがあって、それを抑えようとしている自分もいた」

 走ることが好きだった。原点は小学4年のとき、「冒険」と称し、友人と20キロ近く歩いた。「何をするでもないのに楽しかった。いまでも覚えている」。あえて大雨の日に、外に走りに出ることもあった。

「ほとんどは苦しい時間」という過酷なレース。それでも「何のために走るのか」。3100マイルの旅を経て、瀬ノ尾さんは答えを見つけた気がします。

 中学ではブラスバンド部に入る。だが、練習を何度も休んでいると、夏休み明けに部員名簿から名前がなくなっていた。そこで、陸上部に入ることにした。

ここから続き

 長距離を専門とし、中2で横…

この記事は有料会員記事です。残り2457文字有料会員になると続きをお読みいただけます。