劣悪環境で犬362匹虐待か 長野のペット繁殖場の2人を逮捕

高億翔
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 販売用の子犬を繁殖させるために飼育していた多数の犬を虐待したとして、長野県警は4日、同県松本市で繁殖場を営む会社を経営していた男ら2人を動物愛護法違反(虐待)容疑で逮捕した。この会社は市内2カ所で計約1千匹の犬を飼育。県警が同容疑で9月上旬に家宅捜索した際には、狭いケージに複数の犬が入れられて排泄(はいせつ)物が大量に放置され、不衛生な状況も確認されたという。

 逮捕されたのは、同市内で「アニマル桃太郎」の屋号で営業する会社の社長だった百瀬耕二容疑者(60)=同市=と、社員の有賀健児容疑者(48)=同県安曇野市。県警は捜査に支障があるとして2人の認否を明らかにしていない。

 県警によると、2人は今年9月、約450匹を飼育していた松本市内の繁殖場で、劣悪な環境で衰弱させたり、病気になったのに適切な措置をしなかったりして362匹を虐待した疑いがある。このうち58匹は、乳腺に腫瘍(しゅよう)があったり、子宮にうみがたまったり、失明したりしていたという。

 百瀬容疑者らは市内の別の場所でも約490匹の犬を飼育していたといい、業界関係者によると、ペット業者としては全国的にも例を見ない多頭飼育という。

 この繁殖場については、松本市保健所も県警の家宅捜索と同じ9月2、3両日に、動物愛護法に基づく立ち入り監査を実施。環境省が定める適正な飼育に必要な基準が守られていなかったとして10月、文書勧告し、改善を求めた。市や関係者によると、立ち入り監査後、約1千匹の大半が埼玉県内の関係業者に移送されたという。(高億翔)