コケの上、どこにいるかわかるかな? 深緑色の新種クモ 院生が発見

小堀龍之
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 鹿児島大学の大学院生、鈴木佑弥さん(24)らが、国内の山地で、きれいな深緑色をしたクモの新種を見つけた。コケの上にいると見つけにくい姿などから「カクレコケオニグモ」と名付けた。論文が国際的な動物分類専門誌ズータクサに掲載された。

 新種のクモは、頭から腹部の先までの体長が約11~18ミリ、脚を伸ばした長さは4~5センチ程度で、直径30~40センチ程度の巣を作る。本州から九州までの各地にすみ、ガなどの昆虫を食べるようだ。体にコケのような模様があり、野外で見つけるのは難しいという。

 発見のきっかけは、コケオニグモという別のクモに似たクモを、鈴木さんの後輩がつかまえて飼育していたことだ。コケオニグモは白緑色のため、体の形や遺伝子などを詳しく調べたところ新種と判明し、東京大学の研究員、谷川明男さん(65)と論文にまとめた。

 和名はコケのような見た目や、コケオニグモの陰に隠れていた存在であることから命名。世界共通の学名は「Araneus matsumotoi(アラネウス・マツモトイ)」とした。クモに幼虫が寄生するクモヒメバチの研究者、松本吏樹郎さんへ献名した。

 国内ではこれまで約1700種のクモが知られている。近年見つかる新種は、体長が数ミリ程度と比較的小さなクモが多かった。鈴木さんは「人の手があまり入っていない原生林などでは、今回のような大きいクモの新種がまだ潜んでいる可能性がある」と話している。

 論文は科学誌のサイト(https://doi.org/10.11646/zootaxa.5052.4.9別ウインドウで開きます)に発表された。(小堀龍之)