SOMPO、介護職の年収増で労使合意 管理職からパートの一部まで

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 SOMPOホールディングスは、傘下の介護事業大手「SOMPOケア」の介護現場で働く職員の処遇を来年4月から改善することを決めた。5日に発表する。リーダー級の社員をはじめ、ホーム長などの管理職や看護職、ケアマネジャー、パートの一部の賃金も増やす。人材の確保や定着につなげる狙い。

 10月26日に労働組合と合意した。有料老人ホームサービス付き高齢者向け住宅在宅サービスなどの現場で介護福祉士として3年程度の経験を積み、ケアコンダクターと呼ばれるリーダー級の約1千人について、年収を約50万円引き上げ、450万円程度にする。ケアコンダクターの業務は近年、専門技術の活用、後進の育成などで難易度が上がっており、業界トップクラスの処遇で報いる。魅力的なポストにして、若手の成長を促す狙いもある。

 ホーム長など、施設の管理職約1200人の年収も約55万円引き上げる。なりたいと思えるように管理職ポストの魅力を高め、キャリアアップの道筋を描きやすくして社員の定着につなげる。

 介護現場での専門性を持つ看護職約800人の年収も平均15万円程度上げる。ケアマネジャーなどの専門職も上位職120人の年収を30万円上げ、470万円程度にする。パートの介護職員についても専門性や貢献度に応じて2400人の時給を上げる。

 高い専門性を持つ職員を「介護プライドマイスター」に任命する制度も充実させ、一定以上の等級で遇することも決めた。

 SOMPOケアは、一連の処遇改善の原資として年約24億円を投じる。デジタル技術の活用で事業の効率を上げたり、離職率を下げて採用コストを抑えたりすることで原資を捻出する。

 介護職の低賃金は、岸田政権も問題視して賃上げを課題に挙げている。SOMPOケアは高齢者の施設介護事業で国内トップの約2万7千居室を運営する。政策を先取りする形で大手が動いたことで、業界内に影響が広がる可能性がある。

 ただ、介護業界には経営が厳しい中小・零細事業者が多い。業界全体の賃金水準の底上げには、介護報酬の引き上げが欠かせず、政権が打ち出した公的価格の見直しも今後の焦点となる。