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コンテナホテルを避難施設に 中津市、業者と協定 災害時に移動

大畠正吾
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 大分県中津市は、災害時に客室を現地へ運ぶことができるコンテナホテル事業を営む「デベロップ」(本社・千葉県市川市)と協定を結んだ。同社は来年3月、中津市犬丸に38室のホテルを開業予定。市は被災地でコロナ感染を防ぐための避難施設や対策本部などへの利用を期待している。

 開業するのは「ホテル アールナイン ザ ヤード ナカツ」。客室に鉄製のコンテナ1棟を使い、広さは13平方メートル。ユニットバスや冷蔵庫、エアコンなどを備え、定員は2人。同様のホテルは開業準備中のものを含め全国で41軒(1370室)ある。

 一番の特徴は災害時に「レスキューホテル」として活用できることだ。コンテナはタイヤが付いた台にのっており、トレーラーで被災地などに運び、電気や水道を接続して使う。

 同社は元々、コンテナやトランクルームの製造・販売が主な事業だった。岡村健史社長(45)らによると、2011年の東日本大震災後に宮城県石巻市や南三陸町で復興従事者の宿舎建設などを担当した。そこでプライベート空間のない厳しい環境で過ごす被災者の様子を見て、レスキューホテルを思い立ったという。

 レスキューホテルとしての活用実績は4回ある。昨年4月、長崎市に停泊したクルーズ船で多数のコロナ感染者が出たときには千葉県などから約50室を運び、医師の診察や休憩などに使われた。東京都内ではPCR検査施設などとしても使われた。

 中津市と9月28日に結んだ協定によると、同社は市にレスキューホテルを優先的に有償提供する。移設した客室を使うには電気や水道などの接続が必要だが、協定でこうした調整や事前準備もスムーズにいくという。自治体との協定は締結時で中津市が67番目、九州では3番目になるという。

 締結式で奥塚正典市長は「昨今の災害はいつ、どこで起こるかわからず、より強固な備えが必要。態勢の整備にぜひ協力してほしい」と要請した。

 岡村社長は、市の要請から数時間で50室前後を現地に運ぶことも可能だとし、「災害はないに越したことはないが、有事のときはぜひ市民の方たちに使ってほしい」と話した。(大畠正吾)