電力360%自給の町 なぜ停電? 電力の地産地消で災害に備えたい

有料記事

編集委員・石井徹
[PR]

現場へ! 地域と再生可能エネルギー

 北上高原にある酪農と林業のまち岩手県葛巻町は、2011年3月11日の東日本大震災時、停電に見舞われた。山あいの集落には夜のとばりが下りようとしていた。「電気はいつ復旧するのか」。役場庁舎にはバックアップ電源があったが、町総務課の中崎昌之さん(45)は町民からの対応に追われた。

 停電は数日続き、酪農家は搾乳機が使えず、牛乳工場では冷蔵庫が止まった。山の頂には風車が並び、勢いよく回っていたが、つくられた電気はすべて東北電力に売られていた。町民から「こんなに電気があるのに、何で地元で使えないんだ」との声も出たという。

 風況に恵まれ、1999年に第三セクター風力発電を始めた。「ミルクとクリーンエネルギーの町」として知られ、視察者も多い。昨年12月には、Jパワー(東京)の子会社が運営する「くずまき第二風力発電所」の22基が運転を始め、高原全体の風車は34基になった。合計出力は6万5600キロワットで、町内の世帯数約2700の18倍に相当する約5万世帯分の電気をまかなえる。

 ほかにも太陽光やバイオガス…

この記事は有料記事です。残り886文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
【10/18まで】有料記事読み放題のスタンダードコースが今なら2カ月間無料!