巨額投じた国の新型コロナ対策 浮かび上がるずさんな予算執行

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後藤遼太
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 会計検査院が5日に公表した決算検査報告には、巨額の国費が投じられた新型コロナウイルス対策の事業をめぐる調査状況が盛り込まれた。「アベノマスク」や「Go To事業」といった安倍・菅両政権肝いりの事業が俎上(そじょう)に載せられ、検査院は国に適切な予算の執行を求めた。

9次請けまで723社 持続化給付金

 売り上げが減った企業に支給する持続化給付金では、不透明な業務委託に注文がついた。

 検査院によると、今年3月末までに423万件、計5兆5147億4297万円を給付。国が給付事務を769億208万円で委託した「サービスデザイン推進協議会(サ推協)」は、業務の大半を電通に767億1391万円で再委託し、さらに2次請けで電通のグループ会社4社に再委託。3次請けにはパソナも名を連ね、最大で9次請けまで延べ723社が参加していた。

 うち92社は個人情報を取り扱うため国の承認が必要だが、検査院によると、大半は承認がないまま業務に参加し、承認が事後的だった可能性があるという。検査院は再委託について「国が容易に管理できる範囲にとどめるべきだ」と指摘。中小企業庁は「全国の申請会場で大勢のスタッフが必要でおのずと委託先が多くなった」と説明した。

 業務委託の選定過程も問題視された。中小企業庁は入札前、サ推協とは3回面会したが、ほかの民間2業者との面会は1~2回。検査院は「公平な競争に疑念を招かないよう」求めた。同庁は「前代未聞の巨大事業で、過去に電子申請業務の経験があるサ推協の知見を得るため、他業者より多く接触した」とした。

 相次ぐ不正受給が問題化している雇用調整助成金(雇調金)も調べた。コロナ禍の特例措置もあり、昨年度は約228万件の支給決定があり、約3兆円が支給されている。検査院が首都圏や関西などの49事業者を抽出検査したところ、1割の5事業者が計9673万円を不正受給していたことが判明。雇用関係を偽るなどしていた。

 また、複数の会社が同一人物を雇っているとして、各社がそれぞれ雇調金を受給していたケースも判明。5~6社と雇用関係があるとされた人物もいた。検査院は今後の対応策を検討するよう厚生労働省に要求。同省は「限られた人員で審査業務をしており、迅速さを優先した結果不正を多く許した」とした。

 雇調金と持続化給付金については、不正受給や過払いなど不適切な支払いが合計で約20億円確認された。

抜け穴狙った不正多発 「Go Toトラベル」

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