市民団体が県に共同検証を提案 球磨川洪水 第四橋梁の影響など

伊藤秀樹
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 昨年7月の記録的豪雨による球磨川の洪水について、市民団体「清流球磨川・川辺川を未来に手渡す流域郡市民の会」など4団体は、熊本県に共同検証を提案した。県や国による検証では球磨川第四橋梁(きょうりょう)が災害へ与えた影響に一切触れていないと指摘している。

 市民団体のメンバーらが4日、共同検証を求める文書を県に提出した。市民団体によると、昨年の豪雨では球磨川と支流川辺川の合流点付近にあるくま川鉄道の第四橋梁に流木などが大量に引っかかり、上流側はダムのようになった。橋の流失とともにたまっていた水などが一挙に津波のように下流へ流れ、被害を拡大させたとしている。

 市民団体による住民への聞き取りでは、合流点より上流の周辺住民から「ドーンという音とともに一気に水が引いた」などの複数の証言があったという。市民団体は、第四橋梁の影響や球磨川流域で50人と推定される犠牲者がどのようにして命を落としたのかという事実の解明、市房ダムの効果や限界、ダム放流の危険性についての共同検証を求めている。

 国や県、流域12市町村は災害後の昨年8月と10月の計2回、豪雨を検証する委員会を開催。川辺川ダムが仮に建設されていた場合、人吉市中心部と隣の球磨村の一部の浸水面積を6割程度減少できたなどとする推計結果を公表した。

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 現地を視察した今本博健・京都大名誉教授(河川工学)の話 周辺の氾濫(はんらん)状況から見ても第四橋梁が被害を助長した可能性はある。球磨川は1級河川で国が主導して調査している。国は調査能力があるが、県も地元という立場から人吉の災害がどうだったか調べておくことは大事だ。地元の人と協力しながら調査するのは、これからの災害調査の一つのモデルにもなる。ダム問題を切り離して、実態がどうだったかをまずつかむべきだ。ぜひ実現してほしい。(伊藤秀樹)