女性初の東京大教授・中根千枝さん ヒマラヤにも欧州にも飛び込んだ

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編集委員・塩倉裕
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 世界の人々に通じる分かりやすい理論で日本社会の構造を説明する。十数カ国で出版された中根千枝さんの「タテ社会の人間関係」は、戦後国際社会のニーズに応える業績だった。

 第2次世界大戦で焦土となった敗戦国から世界の経済大国へ。高度経済成長のさなかの1967年に同書は刊行された。海外の人々が「日本はなぜ成長できたのか」に関心を抱き、自信を取り戻した日本の人々が自分自身を語る言葉を求め始めた時期だった。

 日本社会の特徴は、タテの原理で動いていることだ――。インドや欧州と比較しながら、中根さんは同書でそう明快に論じた。会社などの「場」が重視され、それぞれの場で先輩・後輩関係のようなタテの原理が強く働いている。職種などの「資格」を基盤にしてヨコにつながるインドなどとは対照的な仕組みだ、と。

 タテ社会という着想はどこから来たのか。「日本の村を調査したときに見た寄り合いでのやりとりと、東京大学で見た教授会のやりとりが同じだったからよ」。中根さんは記者にそう言って笑った。

 ヒマラヤのジャングルにも欧…

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