反プーチン政権の企業めぐる訴訟、判断持ち越し オランダ最高裁

ブリュッセル=青田秀樹、モスクワ=喜田尚
[PR]

 プーチン・ロシア大統領の政敵が経営した石油会社の解体・国営化をめぐり、オランダ最高裁は5日、元株主らに賠償金500億ドル(約5兆5千億円)を支払うようロシア政府に命じた国際機関「常設仲裁裁判所」の判決の是非についての判断を、アムステルダムの高裁に差し戻した。原告側が意図的に資料を提出していないなどとするロシアの主張を考慮し、判断し直す必要があるとした。

 反政権派を排除するプーチン政権に対し、国内総生産(GDP)の3%にあたる賠償金を伴う司法判断の決着は持ち越された。

 問題となったのは、ロシアで新興財閥(オリガルヒ)と呼ばれ、野党勢力を支援するミハイル・ホドルコフスキー氏(58)が社長を務めた石油大手ユコス。巨額の脱税を指摘されて2006年に破産宣告を受け、資産は国営石油会社ロスネフチに吸収された。仲裁裁判所は14年、元株主らの訴えを認め、解体・国営化は政治目的だったと結論づけたが、その後、地裁と高裁とで判断が割れていた。

 オランダ最高裁はこの日、ロシア政府の主張を一部認めたが、「仲裁裁判所に審理の権限はない」などとする訴えは退けた。

 ノーボスチ通信によると、ロシア最高検察庁は「法の支配と司法の独立を証明したオランダ最高裁の決定を歓迎する」との声明を出した。(ブリュッセル=青田秀樹、モスクワ=喜田尚)