2連覇の井山裕太名人が心境を語る 「まだわからないことだらけ」
第46期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)を制し、2連覇を達成した井山裕太名人(32)が6日、対局場となった静岡県河津町の旅館「今井荘」で一夜明けての心境を語った。
若手実力者の筆頭格、一力遼天元(24)を相手にフルセットの激闘を演じた井山名人。「一力さんの修正能力の高さや名人戦にかける思いを感じ、これまでの名人戦でも大変なシリーズのひとつになった」「終わってほっとしているというのが最も正直なところ」と晴れやかな表情で語った。
名人位初防衛を果たしたのは、当時21歳だった2010年。「32歳というと、20歳ごろと比べると読みのスピードや正確性が下降してくる年齢。その分経験を積み、時間配分など戦い方を意識的に考えるようになってきた」「長くいいパフォーマンスをしつづけたい、ということが大きなモチベーション」と語る。
勝敗に一喜一憂せず、カド番に追い込まれても焦りを見せない姿勢を「仙人」と重ねる向きも。その新たな愛称には「急に老け込んだ感じがする。もう少し若くいたい」と苦笑する。
世界戦の制覇も目標に掲げる。「世界で戦っていると、自分レベルはたくさんいると感じる」と率直に語りつつ、「まったくかなわない相手はいない。自分レベルの相手に立て続けに勝っていくのは大変ですが、優勝をめざしたい」と話した。(尾崎希海)
井山名人の一問一答
取材での主なやりとりは次の通り。
――名人位防衛おめでとうございます。一夜明けての感想を。
「すごく大変なシリーズだった。結果を出せた喜びもあるが、長くて大変なシリーズが終わってほっとしているというのが最も正直なところ」
――昨晩は何時くらいに眠った?
「午前2時くらいには布団に入ったが、対局の後はいつも寝付けない。少し寝て朝を迎えた」
――シリーズをふりかえって。どんな七番勝負だった?
「名人戦の前の碁聖戦から同…