「森林破壊ゼロ強制は不公平」 インドネシア閣僚が共同宣言に反論

半田尚子
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 英国で開かれている国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)で100カ国以上が署名した、「2030年までに森林破壊を止める」とした共同宣言をめぐり、インドネシアのシティ・ヌルバヤ環境林業相は自身のツイッターに「30年にインドネシアに森林破壊ゼロを強制することは明らかに不適切で不公平だ」と投稿して反発した。

 投稿は3日付。カリマンタン(ボルネオ島)やスマトラ島では森林があるため3万4千以上の村が道路につながっていないと指摘し、「『森林破壊ゼロ』の概念に沿えば、道路があってはならないということになる。村人を孤立したままにするのか?」と反論した。

 ヌルバヤ氏は、「森林破壊」という概念が、アジアと欧州などとは異なるとも主張。ジョコ政権が進める大規模開発について「炭素排出または森林破壊の名のもとに止まってはならない」と正当化した。一方で、パリ協定に基づく温室効果ガスの削減目標(30年までに29%削減)達成に向けた努力は続けていると主張した。

 インドネシアの熱帯雨林は世界3番目の広さを誇る。米国の世界資源研究所(WRI)が運営するウェブサイト「グローバル・フォレスト・ウォッチ」によると、インドネシアでは20年だけで約27万ヘクタールの原生林が消失。パーム油の原料となるアブラヤシ農園の建設などが要因とみられる。

 国内のNGOからは批判の声が上がる。NGO「グリーンピース・インドネシア」はヌルバヤ大臣に宛てて、「開発は必ずしも環境を犠牲にすることだけではない」とツイッターに投稿している。

 COP26で発表された宣言には100カ国以上が署名。インドネシアのほか、日本や米国、中国、アマゾンの違法伐採が問題になっているブラジルなども署名している。(半田尚子)