ぶつかりあう執念 公立校対決は決着つかず、7日に引き分け再試合

山口裕起
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 (6日、高校野球秋季九州地区大会1回戦 大分舞鶴4―4大島)

 執念がぶつかりあった。

 九回2死。右打席に入った大分舞鶴の若杉琉慧(りゅうけい、2年)は3球で追い込まれたが、ここから粘る。きわどい球はファウルにし、ボール球を見極め、四球で出塁した。直後。次打者の児玉陽悠(ひゆう)(1年)が初球をたたくと、打球は中堅手の頭上を越えた。「興奮してあまり覚えていない」。土壇場で適時二塁打が生まれ、球場はどよめきに包まれた。

 一進一退のシーソーゲームだった。大分舞鶴は1点を追う八回に、押し出し四球などで2点を奪って一時は逆転に成功した。だが、その裏、大島は2死二、三塁から前山龍之助(2年)が右越えに2点二塁打を放ち、試合をひっくり返してみせた。

 ともに公立校。21世紀枠で出場した2014年の選抜大会以来の甲子園をめざす大島は、県大会6試合のうち4試合でサヨナラ勝ちし、初優勝。地元の奄美大島も盛り上がっているという。一方、初の甲子園を狙う大分舞鶴も、県大会準々決勝で大分商を逆転サヨナラで下して勝ち上がってきた。

 両校の粘りは、九州大会でも変わらない。ともに大応援団をバックに、雨が降りしきる中でも集中力は途切れない。延長十回を終えて決着はつかず、降雨のため試合終了。7日に引き分け再試合をすることになった。

 大島の塗木哲哉、大分舞鶴の河室聖司の両監督は、どちらも複雑な表情だ。塗木監督は「あと1人。選手たちには勝ち急ぐな、と言ったけれど焦ってしまった。でも、うちらしい粘りも見せてくれた。明日はなんとか勝ちたい」。

 両校は鹿児島市内の同じ宿舎に泊まっているという。試合後、両監督は互いの風呂と食事の時間を確認しあっていた。(山口裕起)