映画「おくりびと」の建物が憩いの場に 旧割烹小幡、生まれ変わる

鵜沼照都
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 山形県酒田市景勝地・日和山に隣接する旧割烹(かっぽう)小幡がこのほど、市の交流観光拠点施設「日和山小幡楼」としてリニューアルオープンした。酒田港や日本海を望む施設内には、ベーカリーやカフェ、レストラン、畳敷きの交流スペースなどが設けられた。観光客にとどまらず、市民の「普段使いの場」としても期待される。

 割烹小幡は1876(明治9)年の創業。日本海や市街が一望できるロケーションから「瞰海楼(かんかいろう)」とも呼ばれ、板垣退助や皇族らも訪れたという市内有数の老舗料亭だった。

 建物は明治初期の木造二階建て和館と、大正期の鉄筋コンクリート造り洋館で構成されていた。特に洋館は、市内に現存する最古の鉄筋コンクリート造りの建造物で、市は歴史的価値が高いとして評価していた。

 料亭は1998年に廃業したが、2009年に日米でアカデミー賞を受賞した映画「おくりびと」で、主人公が勤める葬儀社としてスクリーンに登場。再び脚光を浴びた。12年に所有者から建物と土地を寄付された市は、昨年3月から総事業費3億3千万円をかけて整備してきた。

 新施設「日和山小幡楼」は、和館1階にパンやパンケーキを提供する「ヒヨリベーカリー&カフェ」、2階は割烹時代の大広間を思わせる座敷型の公共スペースに。洋館の1階はパスタや甘味類を出すレストラン「日和亭」、2階は展望所となっている。

 運営は平田牧場(本社・酒田市)で、同社にとっては初のパン業態での出店となる。施設の開館時間は午前9~午後6時。飲食店の営業時間は店によって異なる。問い合わせは0234・25・5729へ。(鵜沼照都)