再び頭もたげる昭和の自民党 疑似政権交代と二大政党制のせめぎ合い

有料会員記事自民立憲

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日曜に想う 曽我豪編集委員

 疑似政権交代。その古めかしい言葉が自民党から聞こえてきたのは、9月の総裁選の前だった。後ではない。

 疑惑や失政で政権が行き詰まると、昭和の自民党はいつも同じ手を使った。別の政策の旗と首相候補の顔を持つ派閥が政権をつくり、世論の逆風をかわそうとした。今回、令和最初の衆院選に向けて政権交代の危機が迫るなか、昭和の成功体験にならう作為があったのだろう。

 総裁選では当初、細田、麻生両派が自主投票を決めて派閥政治の終わりが指摘されたが、それも擬態だったのかもしれない。政策を競う4候補の乱戦が演出されつつも結局は、決選投票で岸田文雄氏を圧勝させたのは派閥の力だった。

 それで衆院選は与党が定数465のうち293議席を占め、国会運営の主導権を確保出来る絶対安定多数を大きく超えたのだから、「疑似」であろうとも「交代」は再び自民党の危機を救ったかに見える。だが、釈然としない。平成の30年に及ぶ政治改革の努力まで中抜きにされて良いものだろうか。

「分配と調整」の先に

 昭和の自民党に30年以上の…

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