南アルプス市で児童虐待防止市民講座

岩城興
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 児童虐待を防ぐため地域でできることを考える山梨県南アルプス市の市民講座が6日、同市内であった。厚生労働省が定める今月の「児童虐待防止推進月間」に合わせて市が開催した。虐待や子ども支援の現場を知る講師の話に、保育士や保健師を含む市民約80人が聴き入った。

 まず、ルポライター杉山春さんが講演し、愛知県武豊町の3歳児餓死事件(2000年)や大阪市の2児置き去り死事件(10年)など自らの取材経験を紹介。共通点として「不遇な生育歴のある親が、育児で一時は過剰に頑張る。しかし、うまくいかない屈辱感で社会から孤立し、自ら援助から遠ざかっていくこと」を指摘。「支援につなげるため当事者と対等な会話、寄り添う聞き取りが重要」と話した。

 続いて、東京・三鷹市で子どもの居場所づくりを進めるNPO法人代表の加藤雅江・杏林大学教授が登壇。「子どものわずかなサインをすくい上げる」重要性を強調し、「大人として、子どもの不安や困りごとに向き合い、気持ちに触れた責任を果たす覚悟をもってもらいたい」と呼びかけた。

 講座の冒頭では、南アルプス市の金丸一元・市長が「困った時にSOSを出せる、助けてと言える地域をめざしている」と市の姿勢を説明した。(岩城興)